BLOG・COLUMNブログ・コラム
2025/06/12
糖質について
コラム
前回は五大栄養素とその役割についてお話しさせていただきました。
日本人の主食となる炭水化物は脳や身体のエネルギー源となる大切な役割を持っており、そのエネルギー源となるのは、ほとんど炭水化物に含まれている糖質です!!
では、糖質とは具体的に何なのでしょうか?
糖質は大きく分けて単糖類、二糖類、多糖類の3つに分かれています!



意外にも果物や牛乳にもそれぞれフルクトース(果糖)やラクトース(乳糖)といった糖質が含まれていることがわかります。
そのため、おやつ(間食)で果物や牛乳を摂った場合、大丈夫だと思う方もいらっしゃると思いますが、そのままにしておくと、むし歯菌が活発になり、むし歯のリスクが高くなってしまいます。
また、甘くなければ糖質は含まれていないと思われがちですが、甘くなくても糖質は含まれています!
例えば、甘くないお菓子としてせんべいやポテトチップスなどがありますが、せんべいはお米から、ポテトチップスはじゃがいもから作られており、これらは、多糖類のデンプンに分類されます。
つまり、甘くないお菓子でも糖質は含まれています!
チョコやキャンディといった甘いお菓子以外にも糖質は含まれている事がわかったので、飲食したときは、歯磨きをする習慣をつけておきましょう!
歯磨きをする事が難しいときは、うがいをしたり、水やお茶を飲むようにしましょう。

糖質は人間にとってどのような役割をしているのでしょうか??
糖質は身体の中に入ると、消化吸収されブドウ糖となり脳や身体のエネルギー源として使われています。
しかし、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源となる栄養素の為、糖質が不足すると集中力が落ちてしまう原因になります。
また、集中力が落ちてしまう他に疲れやすさや、意識障害などの症状が引き起こされる事もあります。
つまり、糖質は人間が生きていく中で欠かせない重要な栄養素です!
しかし、重要な栄養素ではあるもののたくさん摂りすぎると、肥満や生活習慣病(糖尿病など)になる可能性があります。
食事でとった糖質は消化されるとブドウ糖として血液中に吸収されるため、血糖値が高くなります。
血糖値を下げる役割をもつインスリンはすい臓から分泌されていますが、糖質を摂りすぎると、高血糖になります。
高血糖状態が続くとすい臓が麻痺してしまい、うまくインスリンを放出できなくなってしまいます。その結果…糖尿病になってしまいます。
糖尿病になってしまうと、感染症に弱くなってしまう為、神経障害、網膜症、腎症といった三大合併症を引き起こしてしまいます。
他にも、歯周病の合併症やむし歯のリスクも高くなってしまいます。
歯周病になると炎症物質が血液中に流れ込み、インスリンの働きを阻害し、血糖コントロール不良を引き起こしてしまいます。
糖尿病は歯周病の合併症を引き起こし、歯周病は糖尿病を悪化させてしまうといった相互に悪い影響を与える関係にあります。
このように、糖質は減らしすぎても脳や身体に不調が起こってしまいますが、多く摂りすぎてもさまざまなリスクがあるので、糖質とうまくつきあっていきましょう!

糖質とうまくつきあう方法

① 糖質の多い食材を知ろう!

普段から主食として食べている白米や食パンには糖質が多く含まれていることがわかります。
野菜では甘味のある芋類やとうもろこしが糖質の量が多く、果物ではカロリーの低そうなりんごも意外と糖質が多く含まれています!
食材を選ぶときは、後ろに表記されている栄養成分表示の炭水化物量を見て食材を選択してみましょう!
② 食事の摂り方を気をつけよう!
日本人の主食である白米やうどんや食パンといったいわゆる「白い主食」は、精製の過程でビタミンやミネラルといった大切な栄養素が失われてしまい、ほとんどが糖質のみになってしまいます。
そのため、白米であれば未精製のものである玄米や雑穀米、パンであれば全粒粉パンやライ麦パンなどに置き換えする事がおすすめです!
また、食事を摂る際に野菜から先に(ベジファースト)という言葉があります。
ベジファーストとは野菜から先に食べる事で急激に血糖値が上昇する事を防ぐ食事方法の事です。
血糖値の急上昇が長い間続くと、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病などのリスクが高まります。
その為、食事を摂る際は先に副菜や主菜、汁物から食べることを意識して、ベジファーストを心がけてみましょう!
また、間食をする場合は、だらだらと長い間食べるのをやめて時間を決めて食べるようにしましょう!

③ 代用甘味料を知ろう!
甘味料といえば砂糖(ショ糖)を思い浮かべる方が多いと思いますが、 他にも砂糖とは違う甘味料があります。
例えば、むし歯菌のエサとなる酸を出さない、血糖値やインスリンに影響しない代用甘味料としては糖アルコールがあります。
低カロリーであるため、肥満症や糖尿病患者にも使われており、
スッキリした甘み、非う蝕性といった特性を活かしてお菓子や飲料などに使われています。
・エリスリトール
主にとうもろこしを原料に発酵させてできる甘味料で、ぶどうやメロン、なしなどにも含まれている天然の糖アルコールです。
甘さは砂糖の約75%ほどで、糖アルコールの中では唯一カロリーゼロと表示できる甘味料だと言われています!
また、むし歯の原因となる酸を出さないため、むし歯の発生や進行を防ぐという効果をもっています。

・キシリトール
白樺(しらかば)や樫(かし)の木からとれる天然の甘味料で、エリスリトールと同様にむし歯の原因となる酸を出さないため、むし歯の発生や進行を防ぐという効果をもっています。
糖アルコールの特性である冷たい食感や清涼感がある為、ガムやキャンディ、などといったミント系のお菓子によく使われています。
むし歯予防の効果が期待できるのは、キシリトールの含有量が最低でも50%以上だと言われています。
今では、歯科専用のキシリトール100%、シュガーレスのガムやチョコなども売っているので、普段習慣的にガムを噛まれている方や甘いものを食べられる方はこれらを代用してみましょう!
しかし、キシリトールは摂りすぎると下痢や消化不良を起こすデメリットもあるので、摂りすぎには注意が必要!です。

今回は糖質についてお話しさせていただきました。
歯周病やむし歯、生活習慣病にならない為にも糖質とうまくつきあっていくことが大切です。
食材の選び方や食事の摂る順番を意識し、お口や身体の健康を守りましょう!